22

3月

2010

改めてCMS開発のビジネスモデルを考える(後編)

前編からの続きです。

 

今回のベンチマークがMTだったわけですが、WordPressJoomla!GeeklogなどのオープンソースCMSと比較して、いったいどれだけ使いやすさなどに差があるのでしょうか?

 

各社CMSのサイトや、イベント参加者の感想ブログを拾い読みした上で、トータルして感じたのは・・・

 

MTはもちろんのこと、WordPressやJoomla!、Geeklogなどのオープンソース系CMSと同等ではあるが圧倒的に優位に立っているわけではない。
どこも「使いやすい」・「学習コストが低い」などを売りにしていて、差別化になっていない。
数年後に残っているかどうか不安を感じる=覚えてもムダになるかも?

 

使いやすい・学習コストが低いという点は重要だけど、数年後に残っているか?というのも重要な点です。
この辺、アルファサードさんが言及されていたようです。

 

引用:「そろそろ「もう、MTでいいじゃん」についてひとこと。」

この日紹介されたCMSのどれだけが3年後/5年度アクティブにメンテナンスされ、継続して使われているのか? そこを判断しないと制作者(会社)としては投資できないのです。

 

どんなに使いやすく、学習コストが低くても、「数年後には消えてそうだな・・・」と思われた瞬間、「覚えても無駄だな。じゃあMT(もしくはWordPressやJoomla!、Geeklog等々)でいいや・・・」となるわけです。

 

なるほど・・・と思いましたね。
私はMT派でもなんでもないですが・・・
MTやWordPressは間違いなく残っていると思います。
Joomla!やGeeklogも残っていそう・・・な気がします(たぶん)

 

だったら、MTやWordPressでいいや・・・となるのは必定。

 

それでは、機能面や使い勝手そのものの差別化にはあまり触れず、ビジネスモデル的な視点で各社CMSを見ていきたいと思います。

 

CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」に出展されたCMSの中で、機能面や使い勝手ではなく、ビジネスモデル的に明確なコンセプトを持っているなと感じたものをあげます。

 

RCMS(ディバータ)(+Jimdo(KDDIウェブコミュニケーションズ)
参加者の感想を拾い読みしている限りでは、RCMS(ディバータ)はプレゼン的にはパッとしなかったらしいようですが、ASP形式で提供している点でビジネスモデル的に差別化していると思います。
実を言いますと、私も今後CMSをビジネスモデルとして成立させるには、ASP形式だと思っているからです。SasS形式だとかクラウドだとか流行の言葉に言い換えてもいいです。

 

CMS Designer(アル・デザインワークス)
XMLベースでデーターベース不要な点。部品型CMSという点。実はクライアントからこの手の要望がいまだにあります(それだけ小さいクライアント・小さい仕事なんですけどね)
その場合、私は「ちいたん」などのフレームワークでtextsqlなどを使ってフルスクラッチで作るわけです。
処理スピードが気にかかるものの、XMLベースという考え方はアリですね。

 

収益面でビジネスモデルが成立していそうな、エンタープライズ系CMSについても言及していたほうがいいでしょう。
Web Release2」はプレゼンでは分が悪かったようです。
なにせ集まった人の大多数が、中小企業がメインクライアントと思われる制作会社のクリエイターの方々なのですから、そもそも価格帯が違いすぎる。
機能面で違いをアピールできないにも関わらず、価格が圧倒的に違いすぎたようです。
じゃあ、今まで機能面で差別化できないにもかかわらず高価格を設定できた理由は?

  • クライアントに知識が無くて、選択肢が他にあることを知らなかった。
  • 会社に営業力がある。
  • 安心のサポートが継続して得られる。

1番目はありうる話。ですが今後、クライアントも知識をつけてくるので難しくなっていくでしょう。
2番目は極めて重要。各社のCMSのプレゼンでも、プレゼンの上手・下手が聴衆の印象に大きく影響したようです。
つまり、商品力や技術力に差別化が図れなくなっている以上、プレゼンなどを含めた「営業力」が重要になってくるわけです。
3番目も重要。高い費用を払っている=安心のサポートと考えるのは当然。逆に、オープンソースだとか、無料だとか、格安なんてのは、当然サポートに回す人的コストを捻出できてないわけで、サポートが手薄と考えるのは当然です。(事実であるかどうかは別問題。あくまでもクライアントが受ける印象の話です)

 

さて、ここまで考えて、CMSを収益化する、CMSのビジネスモデルについての「とりあえずの」結論

 

  1. 「使いやすい」とか「学習コストが低い」では差別化にならない(なりにくい)
  2. 数年後もクライアントが安心してサポートを得られるかが重要
  3. 商品力や技術力だけでなく、「営業力」が重要。
  4. SaaS/ASP形式など、継続して課金できるビジネスモデル。

 

1.「使いやすい」とか「学習コストが低い」では差別化にならない

これについては上記で散々書いたとおり。
猫も杓子も「使いやすい」とか「学習コストが低い」と訴えていて、差別化になっていない。逆に言うとどのCMSも良くできている。使いやすくできているということ。
何を持って使いやすいと感じるか、各社の狙っているところが少々違うというだけです。

 

2.数年後もクライアントが安心してサポートを得られるかが重要

これについては、つけ加えると制作側としても、数年後もサポートが得られるのかが気になるところです。
コミュニティーが十分育っているオープンソースCMSなら、コミュニティーで質問・相談して問題を解決することが可能です。
逆に言うと、コミュニティーが育っていない/縮小傾向にあるCMSや、そもそもオープンソースでないCMSの場合、サポートする企業が撤退した場合に、いったい誰がどうしてくれるんだ?という問題に直面するわけです。
開発者の情熱が続いている間はいいのです。ビジネスとして軌道に乗るまでは開発が続くでしょうから。
しかし、アルファサードさんが指摘したように、別展開してる事業やサービスが当たったことで会社としてCMSやめてそっちに「選択・集中」しますって無いと言えるかどうか?
ましてこのコンテンツデフレクリエイティブデフレの状況下の中、いくら開発者の情熱があっても、会社の事業方針として不採算事業から撤退する可能性はあるわけです。

 

3.商品力や技術力だけでなく、「営業力」が重要。

これも、CMSをビジネスとして提供している上で最も重要なこと。
つまり開発なり、サポートなり、カスタマイズなりで、クライアントからお金をいただく。そのもっともな理由を伝えれられなくては商売として成り立たなくなっていきます。
CMSの開発・サポートを続けられるだけの収益を、CMSの販売・サポートそのものであげることができるか? これにつきます。
もちろん、他の事業の利益を食って、赤字でCMSを提供することは可能です。
ショーケース(要するにプロモーション用の見世物的な存在)として、受託開発の案件を受注するための「釣り餌」として用意することも可能です。
それはそれぞれの会社の事業戦略ですから、そういう位置づけとしてCMSを提供していくのはいいと思いますが、やはり存続性としては危うい。

 

4.SaaS/ASP形式など、継続して課金できるビジネスモデル。

今後の主流はこちらになっていくと予想します。そしてこの形式にしないとビジネスとして成立させにくくなっていくと考えています。
まずは開発コストの問題。
ダウンロードさせてインストールさせて・・・では様々な環境を考慮して開発しなくてはなりません。結果として開発コストの高騰を招きます。
つぎにサポートのコストの問題。
これも同様で、結局クライアントの様々な環境にインストール・運用するから、膨大な問題が発生する=結果として膨大なサポートを要するというわけです。
サービスの存続性についても同様。
ライセンスの売り切り販売にした場合、結局はCMS事業の撤退の可能性が付きまといます。逆に言いますと、事業の撤退がしやすいとも言えます。
SaaS/ASP形式の場合、サービスの継続=課金(収益)の継続になります。
SaaS/ASP形式でなくても、利用している期間中ずっとライセンス料金が発生する形態もあります(年間サポート料金等々)が、やはり利用料金としてのほうが料金の必然性が高いでしょう。

 

まとめ・・・


最後の4つをひとまとめにすると、「事業として成立・継続するCMS」かどうかということ。
この条件を分解すると、

  1. 開発・サポートを続けられる
  2. 営業・販売を続けられる
  3. 開発・サポート・営業・販売にかかるコストを超える利益を上げ続けられる

当たり前の終わり方になりましたが、この当たり前の3つのポイントが3年後・5年後も実現できているCMSがどれだけあるでしょうか?そこが重要なんだと思います。

 

最後に・・・
CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」に参加された方のブログでいくつか気になったものを引用させていただきます。

 

CSS Nite LP, Disk 6の観覧記 - 小さな世界

引用:
1・ MTと同等のパフォーマンスを持つCMSはあったけど、MTを凌駕するCMSは見当たらなかった

引用:
「自分ところのコア・コンピタンスはここだ」という部分をもっと明示的にアピールすればもっとよかったのに、というのが偽らざる感想。

引用:
「戦略は?」とお聞きしたときに、アルファサードさんから一言「サポートです」と言い切られたのは、「おおっ」と思いました。

 

「イケてるCMSを探せ - CSS Nite「CMSリベンジ編」に参加」

引用:
ニックさんが、戦略は何ですか?って聞いてたけど、みんな答えになってなかった
いいものを作って、フィードバックを得て、更にいいものを作ります。ってそういうのばかり。他との差別化の話がない。多機能になればいいというわけではないと思うんだけどな。
めちゃくちゃ素晴らしいオープンソースが出てきたらツライわけでしょ。そういう敵と戦う戦略とか聞きたかった。

引用:
だから、全く響かない。みんな同じ方向を向いてる。特に今回のCMSはオープンソースでなく、5万ぐらいの安価なものが多かった。じゃ、オープンソースでいいやん。と思ってしまう。日本ではオープンソースという考え方でのビジネスは考えにくいのだろうか。

引用:
プレゼンしたCMSは小さい仕事を取り合うんだと思う。そうすると案件単価は安そうだし、覚えてもあんまり美味しくなさそうだから、ボクはMTやWordpressでいいやと思った。ちょっと前に少し使ったMODxとか。

 

「そろそろ「もう、MTでいいじゃん」についてひとこと。」

引用:
でも実は一番大切なのは「どれだけの期間に渡って投資コストが回収できるか」なんですね。端的に言えば、何年先までそのCMSは存在するか?

引用:
「俺たちはこのCMSにかけていて、こんなビジョンを持っていてこういう姿に育てたい」ってのをアピールすべきったんじゃないかな? ってこと。

引用:
「この値段ならどれだけ売れるか」ではなくて「どれだけもらえば十分にサポートできるか」なのです。

 

CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」に行ってきたよ

引用:

それでも、Movable Typeは負けることはない!・・・(以下略)


  

 

 

 

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22

3月

2010

改めてCMS開発のビジネスモデルを考える(前編)

私は会社でフルスクラッチ系CMSを開発しています。
要するに、クライアントから依頼を受けて、その都度CMSを開発するという感じ。
もちろん大規模なものではなく、小規模なものばかり。
機能的に言えば、MovableType(以下MT)でも実現可能なものばかりですが、あえてオーダーメイドしています。

 

MTとの差別化は「管理画面の使いやすさ」においています。
機能が多すぎて、ますます初心者にはとっつきにくくなったMTの代わりに、極力シンプルにして、「見たまんま編集」に徹して。

私の別ブログ「レプラコーン ファクトリー」の記事「CMSの潮流が変わってきた・・・」でも書きましたが、最近その手の案件が多く、シンプルでわかりやすい管理画面と、「見たまんま編集」を差別化として、クライアントに提供しているわけです。

 

フルスクラッチ系なので、汎用CMSのように、「ダウンロードして、勝手にインストールして、勝手に使ってください」的なことはできません。
最近では、CodeIgniterちいたんなどのPHPフレームワークを使って構築しています。

そんな状況下の中で、今回のお題は「CMS開発のビジネスモデル」について。
昨年の話になりますが、『CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」』というものが開催されました。

 

私は仕事の都合で参加しなかったのですが、普段チェックしている各社のCMSがプレゼンされたとのことで興味を持っていました。
実際にはCMSそのものよりも、各社のCMSのプレゼンを見た人がどう感じたのかが気になったのです。
CMSというと機能面や使い勝手に目が行きがちです(当たり前)。
当日のプレゼンでも、各社MTとの差別化を意識されていたようです。

CMS比較.com
なんて見ていると、巷にCMSがどれだけ溢れているかがわかります。
その一旦を私も担っているわけですが、改めて考えられさせる面があります。

 

今回参加された各社のCMSのラインナップを見ていて、使いやすいとか学習コストが低いというのは、どのCMSでも訴求していて、全く差別化になってないのが印象的でした。 

 

【どのCMSも他CMSとの差別化として訴求していた点】

 

制作者にとって使いやすい
→構築しやすい・カスタマイズしやすい

 

エンドユーザーに使いやすい
→クライアントの担当者でも管理更新がしやすい

 

学習コスト・習得コストが低い
→これは上記のことを言い換えただけのような気がします。構築しやすい・カスタマイズしやすい=学習コストが低いと言い換えても、それほど的をはずしていないと思います。

 

でも他人のことをとやかく言えませんね。
私がクライアントに提供しているCMSでも、結局「使いやすい」と謳っているわけですから。
まったく差別化になっていないわけです。

 

・・・後編に続く

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13

3月

2010

Yahoo!アクセス解析の新規利用停止で思うこと

Google Analytics」の対抗馬として登場した「Yahoo!アクセス解析」ですが、2009年3月10日にベータ版の提供を開始して、2009年10月15日には新規登録利用の停止になりました。

そして、2009年12月8日には新規のプロジェクト登録停止という羽目に・・・。

 

おしらせ 「新規のプロジェクト登録停止のお知らせ」

http://analytics.yahoo.co.jp/portal/news/index.html

 

 

 

「リアルタイムでサイトの訪問者がわかる」とか、「Google Analyticsより素人には見やすい」などと一部では評判のよかった「Yahoo!アクセス解析」ですが、提供開始からわずか7ヶ月程度でこのような事態に。

再開の目処もたっていなさそうな雰囲気です。

 

公式の理由が発表されていないので、推測に過ぎませんが、考えられるのが次の理由。

  • 予想以上にサーバーに負荷がかかり、費用対効果から停止を決めた。
  • Microsoftとの提携により、何らかの事情で提供を停止した。

おそらく前者ではないかと思います。

結局、リアルタイム性だとか、分析結果が多少Google Analyticsより見やすい・・・という程度では、差別化にはならなかったということです。

 

有料・無料も含めてアクセス解析ツールは多数出ております。

最近、あちこちで露出して注目を浴びているのがEC studioの「Web Analyst(ウェブアナリスト)」 

 

無料ツールが数多くある中、月額10,500円という利用料を設定した、強気?のアクセス解析ツールです。

その品質には、かなり自信があるようで、実際のところかなり良さそうです。

月額10,500円という料金設定も、ある意味で微妙なラインをついていますね。

不景気で余裕の無い個人店舗や小企業はGoogle Analyticsでいいや・・・となりそうですが、本気でアクセス分析を経営に生かしたい、でもGoogle Analyticsはいまいちわかりづらい・・・という中小企業にとっては十分魅力的なものと思われます。

 

ウェブ制作会社としては、クライアントに無料で提供されている「Google Analytics」を提案するか、この「Web Analyst」を提案するか?

もちろん、この二つ以外の選択肢もあるのですが、対比として無料と有料ツールの代表として例を挙げました。

 

かたや「Google Analytics」は無料であり高機能。ただし本当に使いこなせている人は決して多くない。

「Web Analyst」は有料で月額10,500円。高機能でしかも経営に生かせそうな機能を謳っている。

 

ツールの優劣よりも、クライアントへの提案として、有料ツールのほうが無料ツールよりもより一層お金を取りやすいという側面があります。

例えば、オープンソースで無料で提供されているCMSより、安価だが有料のCMSの方が見積を取りやすい・・・ということです。

 

「どうせ無料なんでしょ? だったら安くしてよ」

 

これがクライアントのホンネです。

これもクリエイティブデフレ時代の弊害のひとつ。

ツールの設置やらカスタマイズ、あるいば分析などで手間(つまり工数)がかかるにも関わらず、元が無料ツールだとお金を取りにくくなります。

逆に元が有料だと、お金を取りやすくなる(見積の上乗せがしやすくなる)・・・不思議なものです。

 

ただ、今回のアクセス解析ツールの話に限って言うと、アクセス解析というものに対して、クライアントの理解度や認識によるところも大きいです。

Google Analyticsという無料で高性能のツールがある以上、大半が「だったら、Google Analyticsでいいじゃん」となってしまうのも事実です。

 

さて、話を一番前に戻して「Yahoo!アクセス解析」の話。

もしサーバー負荷の増加による費用対効果が、サービス提供停止の理由であるのだとしたら、いっそのこと有料ツールで提供したほうが良かったのでは?と思うわけです。

 

リアルタイム性とわかりやすい分析結果を差別化として、有料ツールとして提供するという手法もあったはず。

Yahoo!の各種サービスも無料で提供されているので、おそらくこの選択肢を取る確率は少ないでしょうけど。

 

可能であれば、どこかの企業が「Yahoo!アクセス解析」を買い取って、有料ツールとして提供したらどうでしょうか?とも思ったりもします。

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06

3月

2010

業界最安値?商品撮影サービス

GMOが展開するサービスで、「商品撮影サービス!業界最安値1カットあたり280円~!」というのがあります。

 

http://photo.omakaseshop.jp/


オンラインショップを展開する業者相手のサービスです。
商品を送って、スタジオで専門のカメラマンに撮影してもらえるサービス。

商品を送るコストが発生するものの、撮影費用はダントツに安い!
プロがスタジオで撮影するのですから、当然クオリティは上がります。

 

そこに以前ご案内した、写真切り抜きサービス「激安!中国DTP」を利用すれば、撮影+切抜きが格安でできるということです。

 

もちろん、個人や中小企業が運営するオンラインショップやECサイトは、そんなサービス必要ない・・・ということも考えられるでしょう。
メーカーが用意した写真を使用することが多いと思いますし、あるいは自前でデジカメで撮影してしまうのがほとんど。
いくら撮影費用が安く、クオリティが高いとしても、わざわざ商品を送ってまで商品撮影してもらう必要性を感じない場合が多いでしょうね。

 

ですが、社員や運営スタッフが商品撮影する、本当のコストを計算してみる必要があります。
高い給料を払っている社員や運営スタッフが、何時間もかけて商品撮影して・・・
クオリティが高い商品写真を撮影できるスタッフがいるとか環境が揃っているならともかく、スタジオも無く、照明機器もなく、2~3万円で買ったデジカメで撮影するわけですから、クオリティは当然推して知るべし。

 

撮影する社員や運営スタッフの給料を、時給で換算してどちらが安く済むか(クオリティも考慮に入れつつ)を検討する必要があると思います。

 

この手のサービスを利用して外部に委託したほうが、安い上にクオリティが高い・・・なんてことになるかもしれません。
オンラインショップ/ECサイトの運営者は、よく吟味してみる必要があると思います。

 

しかしクリエイティブデフレコンテンツデフレの浸透は凄まじい・・・

商品写真撮影で稼ぎを得ているカメラマンも少なくないでしょう・・・

この価格で大々的にやられると、冗談じゃすまない業者も出てきそうですね・・・。

 

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21

2月

2010

iPhoneアプリ、ソーシャルアプリのコンテンツデフレを考える

「いま最も儲かるのはプラットフォームを確立できたところ」

 

この1~2年の間、ゴールドラッシュとか、コンテンツの新市場と言われてきたiPhoneアプリやFacebook・mixiなどのソーシャルアプリ。

実際、そのことを煽るような情報や書籍が氾濫していたのも事実です。

 

iPhoneアプリで週末起業とか、iPhoneアプリ成功の法則など・・・。

 

ですが、そろそろ皆が気づき始めたようです。

 

コンテンツクリエイター、つまりゲームやコンテンツの制作者は儲からない。

それなりの開発費・開発期間がかかる割りに、利益がでない・開発費の回収ができない。

儲かっているのは、プラットフォーム側、つまりAppleであり、Facebookやmixiといった「場」を提供している側だけであるということに。

 

私の本家ブログ「Lepracaun's factory - レプラコーン ファクトリー -」の「AppleとAdobeのFlashをめぐる攻防で思うこと」や「アプリ配信プラットフォームについて」でも書きましたが、「儲かるのはプラットフォーム側だけ」という事実に気づいた企業は、皆プラットフォームの構築に向けて動き始めています。

逆に言うと、コンテンツ提供側にいても儲からないという厳しい現実を突きつけています。

 

ここまでいうと、おそらくコンテンツ提供者で大儲けしている企業やクリエイターの名を上げ、反対意見を言う人も多々いらっしゃるでしょう。

もちろん、私もその点は否定しません。

 

ですがよーくそのコンテンツや、その企業・クリエイターを精査してみてください。

それは初期のころもしくは、その分野で他より先行してコンテンツを提供したところではありませんか?

同じようなものを提供している中で、上位に位置するひとつかふたつめではありませんか?

 

そう、つまり「上位者による総取り」がコンテンツ側の現状です。

逆に言うと、上位者になれば儲かる・・・とも言えます。

 

問題は、その上位者になることが難しくなってきているという点です。

コンテンツは、大手企業から小企業、そして個人のクリエイター(プロ・アマ問わず)から、無限に提供されていきます。

今後も無限に近いレベルで増殖していきます。

ですが、お金を払う側(コンテンツの購入者)は、無限にお金を持っているわけではありません。

市場を無限に近いプレイヤーが奪い合っているのが現状です。

もちろん、市場のパイそのものを広げる効果もありますが。

 

大事な点は、コンテンツ提供者が儲かろうが儲からなかろうが、プラットフォーム側には何割かのお金が入るのです。

ギャンブルで言えば、ギャンブルする人が大儲けしようが大損しようが、賭けの胴元にはお金が入るのと一緒です。

 

 

コンテンツ提供側の反撃も試みられています。

たとえばWSJを筆頭とする新聞社は、記事コンテンツの有料化を始めています。

Googleなどのプラットフォーム側だけに利益が転がり込む現状に、抵抗を試みているのです。

この試みの結果がどうなるのかはこれから数年にかけてわかるでしょう。

ですが、非常に厳しい戦いを強いられるでしょう。

 

このことについて、とてもわかりやすく書かれている書籍があります。

ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書)です。

 

ここで私のようなクリエイターは選択肢を迫られます。

この業界で生き続けると仮定した場合、どのように行動すべきか?

間違いなく今後数年間は、コンテンツデフレクリエイティブデフレの状況が続くという予測。

そしてコンテンツ提供側で儲かるのは、上位の一部だけという厳しい現実。

無限に増殖する競合者。

その状況を利用して大儲けしているプラットフォーム提供者。

 

  • 上位トップ入りを目指して、ひたすらコンテンツを作り続けるか?
  • コンテンツ提供者から、何とかプラットフォーム提供側に回る努力をするか?
  • プラットフォーム側の利益のおこぼれを狙う別の手法を考えるか?

 

この結論はまだ出ていません。

考えたとしても、実行レベルでどれも容易ではないからです。

また機会を改めて、この件に関して書きたいと思います。

 

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14

2月

2010

格安HTMLコーディングの実現方法を考える

HTMLコーディングの単価下落が著しいですね。
クロノドライブという会社が1ページ500円~という単価を実現しています。
その会社だけでなく、「コーディング,外注」などと検索すれば、格安HTMLコーディング会社がゴマンと表示されます。

 

一括見積りしたければ「コーディング外注NAVI」というサイトで数社のコーディング会社を比較検討できます。

まさにクリエイティブデフレです。

いや、もはやHTMLコーディングという業務は、クリエイティブというカテゴリには属さなくなったのでしょう。

 

HTMLコーディングという業務、技術もスキルも必要なものです。本来は。

XHTMLとCSSの知識だけでなく、Ajaxで一気に普及したJavaScript。

どこまでをHTMLコーディングという業務の範囲に含めるかは議論の余地があります。

私の定義では、上記に記載したもの+フォームCGIなどの設置が、HTMLコーディング。つまりHTMLコーダーと呼ばれる人の作業範囲だと思っています。

 

HTMLコーディングを以下に能率よくやるか?

どれだけ品質を保ちながら短時間で済ませるか?

コーディングの料金がほぼ100%人件費と考えると、「コーディング料金=時間×時給単価」という式が成り立ちます。

(※時給で仕事してない(固定月給 or 年俸制)の方は、月収(もしくは年収)を勤務時間で割ると良いでしょう)

 

たった一人でコーディングしていても効率よくやることはできます。

つまり「テンプレートを使いまわす」です。

企業サイトのレイアウトは似たようなものが多いです。

きちんと作りこんだXHTML+CSS(JavaScriptのライブラリなども含む)をテンプレートとして使いまわすと、驚くほど短時間で仕上げられます。

事実、私がコーディングする際には、そうして短時間で仕上げています。

 

前述のクロノドライブという会社の「安さと短期納期の秘密」というページにも同様のことが書かれていました。

それを組織的に交代制で、徹底的に行うことで格安の単価を実現しているのでしょう。

 

さて、ここで検証すべき課題があります。

コーディングは外注すべきか、内部で行うべきか?です。

 

一人あるいは社内でも、前述のように「テンプレートを使いまわす」「テンプレートを蓄積していく」という手法で効率化は可能です。

交代制で・・・というのは一人では無理です。社内でも、社員数やら制作体制によっては無理な制作会社も多いでしょう。

 

ポイントは、2つ。

  • コーディングのスキル・ノウハウを自分もしくは社内に蓄積したいか?
  • 外注するのとどちらが単価が安いか?

コーディングのスキル・ノウハウを習得・蓄積したいのなら迷わず内製するべきでしょう。

外注するのとどちらが単価が安いか?は、コーディング担当者の人件費と、そのスピードによります。

 

「人件費が高い or スピードが遅くて時間がかかる = 制作単価が高くなる」

 

ちなみに私の場合はどうか?

スピードはある程度自信があります。

なぜかというと、作りこんだテンプレートを使いまわしているからです。

よくある企業サイトのレイアウトだったら、短時間でコーディングできます。

 

スピードは速くても人件費はどうか?

ここで私の給料を明かすことはできませんが、もしスピードが大差ないのなら、外注したほうが安くなります。

 

ここで最大のジレンマがあります。

つまり、私が「個人的にコーディングを極めたいから全部自分でやりたい」というのでなければ、外注したほうが得なのです。

 

今の時代、クライアントからどの程度の単価でHTMLコーディングの仕事を受注しているか?

中にはHTMLコーディングという見積もりの項目を立ててないところもあるでしょう。

サイト一式・・・みたいな感じで、デザインやらFLASHやらも全部コミコミで見積もりを出しているところも少なくないでしょう。

 

ですが見積もりの項目にHTMLコーディングという項目があろうが無かろうが、その業務が伴う以上、工数には入っているはずです。

 

ノウハウやスキルの蓄積という目的がないのであれば、単純に内部でコーディングした場合と外注した場合とで、外注したほうが利益が上がるのであればそうすべきです。

もちろん、「納期」という最大の課題があるので、かならずしも外注できるとは限らないでしょう。

単純に「外注先に指示するのが面倒くさい」ということもあると思います。

 

念を押しますが、私はコーディング専門会社の回し者ではありません。

単純に利益率の追求を考えているだけです。

 

国内のコーディング専門会社だけでなく、中国を含めたより安い人件費の他国も、コーディング業務を受注していますし、その傾向は今後より一層進むでしょう。 

コーディングで収益を上げるには、より組織的に効率化して、専門会社化するしかないと思います。

そうでなければ「外注したほうが安い」・・・となるでしょう。 

 

それだけでなく技術の革新という問題も控えています。

このブログで使っている「Jimdo」などもまさにそうで、普通に使う分にはHTMLコーディングを意識しません。(より高度にカスタマイズしようと思えば別ですが) 

 

Ferret Web(フェレットウェブ)」というサービスも然り。

もともとFireworksなどのオーサリングツールも、ずっと以前からHTML書き出しという機能がありました(その品質はさておき)

技術革新が進めば、デザインしたら即HTML化(それもきちんとしたコーディングで)というソフト・サービスの開発が進むでしょう。

 

「オフショア開発の浸透+技術革新によるコーディングの自動化」 

 

 これが、現在の国内HTMLコーダーの方々を待ち受ける、避けられない命運です。

コーディング以外の道を今から見つけておかないと、泣きを見ることになるでしょう。

 

私は、今後もある程度の範囲で、HTMLコーディングのスキル習得に努めます。

ただしそれは、「技術革新によるコーディングの自動化」に何らかの形で関わっていきたいという目的だけです。

自動化するツールなりサービスなりを開発・提供するにはそれなりの知識が必要だからです。 

 

HTMLコーダーの方、ウェブデザイナーだが、HTMLコーディングがメインの仕事になっている人。

数年先を見越して、自分なりに進むべき道を考えたほうが良いのかもしれません。 

 

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13

2月

2010

格安の画像切抜きサービス

「クリエイティブデフレ」  

まさにこの言葉が、私のような広告代理店やウェブ制作会社の収益を大きく圧迫しています。
昨年のリーマンショック以降の不景気の影響もありますが、もし仮に今回の景気の低迷が無かったと仮定しても、「クリエイティブデフレ」は確実に進んでいたと思います。

技術革新によるコモディティ化。

中国を筆頭とする圧倒的に人件費の安い国へのオフショア開発/制作の浸透。

 

ウェブクリエイター泣かせの状況は、今後より一層過酷な状況になることはあっても、楽になることは無いでしょう。

 

さて、今回ご紹介するのは、画像切抜き1点60円の、「激安!中国DTP」です。

http://www.chinadtp.jp/

 

画像の切抜きが1点60円から。
ロゴやイラストのトレースが1点150円から。

 

正直言って驚異的な安さです。

実際、会社で発注しましたが、納期も早い上に品質も問題ありませんでした。

 

日本人デザイナーの中には、画像の切抜きやトレースが得意な方も多いでしょう。

ですが、日本人のデザイナーの人件費を考えると、どう考えても対抗できません。

 

仮に、日本人のデザイナーを時給900円という格安?の給料で雇ったとします。

ひたすら画像の切抜き業務をさせたとして、1時間でいったい何枚の画像を切り抜きできるでしょうか?

切り抜く画像の形にもよるので一概に言えませんが、60円に対抗しようと思うと、1時間で15枚切り抜く必要があります。

 

簡単な形の画像でしたら、私でも15枚の画像を切り抜けるかもしれませんが、ちょっと複雑な形の画像になると1時間で15枚は無理です。

なにより、時給900円でひたすら画像の切り抜きなんていう仕事はしたくありませんw

 

 ここで言いたいのは、日本人のデザイナーの人件費をさらに切り詰めて、不眠不休で働かせて対抗しよう!ということでは断じてありません。

 

ようするに、そんなサービスがあるんだったら、どんどん外注しましょう!ということです。

断っておきますが、私は上記の会社の何らつながりはありません。

これからもどんどんこういうサービスを提供している会社を紹介していくつもりです。

 

画像の切抜きやトレースなど、付加価値が低く収益力も低い業務は、どんどん外注したほうがずっと効率的です。

どう計算しても、日本人のアルバイトを雇うより安いのです。

「外注費」という費用名目が発生しますが、単純にお金だけで考えれば、外注したほうがずっと得です。

 

デザイナーのスキルの習得、会社へのスキルやノウハウの蓄積についての検討課題もあります。

もちろん、人物(とりわけ女性の髪など)の切抜きのスキルは当然重要です。

ですが、この辺もやがてソフトウェアの技術革新で解決していくものと考えています。

そう考えると、早い段階で割り切って、さっさと外注してしまい、より付加価値が高く、収益性の高い業務を社内、ひいては日本国内でしたほうがマシというものです。

 

ウェブ制作業界だけ、産業革命前の職人工房みたいなやり方をしていて、今後生き残れるはずがありません。

今後も同様のサービスを探し、より効率的なウェブ制作を追求していきたいと思います。

 

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12

2月

2010

Lepracaun's factory分室 「マネタイズ研究室」開設

RIA(リッチインターネットアプリケーション)の研究目的で立ち上げた「Lepracaun's factory(レプラコーン ファクトリー)」 ですが、すっかり更新も途絶えてしまいました。

それというのも、私自身の興味の対象がすっかり変わってしまったからです。

 今もっとも興味があるのは、ウェブによるマネタイズ(収益化)です。

景気の低迷、技術革新、コモディティ化などの理由により、ウェブ制作やウェブサービスの収益力が大きく落ちていっています。

「ウェブは儲からない」が定説になりつつある昨今、本当に儲からないのか?という疑問を今一度自分自身に問いただすため、別サイトとして立ち上げました。

 

このサイトでは、各ウェブサービスやウェブに関連したビジネスについて、「どうやって収益を上げているのか?」というビジネスモデルの視点から研究していきたいと思います。 

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